Data

補助金の採択率データ【2023-2025年】
IT導入・ものづくり・持続化・事業再構築

この記事のポイント

  • 持続化補助金の採択率は60〜70%台と高い。申請ハードルが低いので「補助金デビュー」に最適
  • 事業再構築補助金は採択率が2023年の約38%から2025年には約28%まで低下。難易度が上がっている
  • 採択率を上げる最大の秘訣は「審査員が読みやすい事業計画書を書くこと」。内容より構成が先

4補助金 採択率 3年間の推移

補助金名 2023年平均 2024年平均 2025年平均 傾向 難易度
小規模事業者持続化補助金 68% 65% 62% ▼微減 ★☆☆☆(易しい)
IT導入補助金 70% 63% 58% ▼減少中 ★★☆☆(普通)
ものづくり補助金 48% 45% 44% ▼微減 ★★★☆(難しい)
事業再構築補助金 38% 32% 28% ▼急減少 ★★★★(最難関)

※採択率は各年の全公募回の平均値。出典: 各補助金事務局の採択結果公表データをもとに集計。

補助金別 詳細分析

小規模事業者持続化補助金 採択率62%

申請のしやすさがダントツ。事業計画書の分量が少なく(A4 2〜4枚程度)、商工会議所・商工会のサポートも受けられる。天神にある福岡商工会議所でも相談を受け付けている。

採択率を上げるコツ(持続化補助金)

  • 補助金の使途を「販路開拓」に絞る。設備投資や人件費に使おうとすると審査が厳しくなる
  • 現状の課題を具体的な数字で書く。「売上が減っている」より「2023年比で売上が18%減少している」が圧倒的に強い
  • 補助金を使った後の売上増加を数値で示す。「月+5万円の売上増を見込む」という根拠のある数字を入れる
  • 商工会議所の確認を受ける。事前確認を受けた申請書は通過率が上がる傾向がある

IT導入補助金 採択率58%

AIツール・クラウドサービス・業務システムの導入に使える。認定を受けたIT導入支援事業者(ベンダー)と共同で申請する仕組みなので、まずベンダーを探すことが第一歩。

採択率を上げるコツ(IT導入補助金)

  • 実績のあるIT導入支援事業者を選ぶ。採択実績が多いベンダーの方が申請書の質が高い傾向がある
  • 「労働生産性の向上率」を具体的に書く。3〜5%以上の向上が見込めることを定量的に説明する
  • インボイス対応・電子帳簿保存法への対応を絡める。2023年以降、これを盛り込んだ申請が通りやすくなった
  • ITツールの導入後の活用計画を書く。「入れるだけ」でなく「3か月後にこう活用する」まで示す

ものづくり補助金 採択率44%

設備投資・システム構築に最大4,000万円まで補助。金額が大きい分、審査も厳しい。申請書のボリュームも多く(A4換算で10〜15枚)、単独で申請するのは正直かなりキツイ。

採択率を上げるコツ(ものづくり補助金)

  • 「革新的サービス」の定義をきっちり満たす。「新しいことをやる」という姿勢が明確に伝わる事業計画が必須
  • 市場規模・競合分析を入れる。業界の数字や競合の状況を書くと説得力が増す
  • 財務計画を3期分作る。補助金を使った後に売上・利益がどう伸びるかを数字で示す
  • 中小企業診断士や認定支援機関と組む。支援機関の確認書が必要で、連携することで計画書の質も上がる

事業再構築補助金 採択率28%

全4補助金で最も競争率が高く、最も書類が多い。2021年のスタート時は採択率が50〜60%台だったが、年々厳しくなっている。「事業転換の必然性」を審査員に納得させられるかが勝負。

採択率を上げるコツ(事業再構築補助金)

  • 「なぜ今の事業から転換するのか」の必然性を強調する。市場縮小・競合激化などのデータを使って現状の危機感を示す
  • 新事業に「勝てる根拠」を書く。既存の強み・顧客基盤・設備をどう活かすかを具体的に
  • 売上・利益の根拠ある数値計画を作る。「楽観的すぎる」と審査で指摘されやすいので保守的な計算で
  • 採択率の高い「優先枠」を狙う。グリーン成長枠・産業構造転換枠など特定枠は採択率が変わることがある

よくある不採択の原因(実務者視点)

NG: 補助金ありきで事業計画を作る

審査員は「補助金を取るために作った計画書」かどうかを見抜く。補助金がなくても本来やる予定の事業に対して補助金を充てる形が理想。「補助金がないとできない」という計画書は弱い。

NG: 具体的な数字が一つもない計画書

「売上が増える見込みです」「コストが削減できます」という抽象的な表現だけでは通らない。「月売上20万円増(根拠: 既存顧客単価+5,000円×40名)」まで具体化する必要がある。

NG: 締切3日前から動き始める

事業再構築・ものづくりは最低でも1か月前から動き始める。書類の準備・支援機関への依頼・財務計画の作成は2週間では間に合わない。締切を知ったら即動くこと。
実務者から正直な話

補助金の書類作成を代行している立場から正直に言うと、「内容より書き方」で採否が変わることが多い。審査員は1件の申請書を15〜20分で評価する。その時間で伝わる構成になっているかどうかが全て。

うまく書けている申請書の共通点は「最初の2段落を読んだだけで何をやりたいかがわかる」こと。それ以上の内容は、最初の印象を裏付けるためのデータ・数字。この順番を間違えている申請書が多い。

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調査方法・出典
・小規模事業者持続化補助金 採択結果: 日本商工会議所 持続化補助金事務局 公開データ(2023年〜2025年各公募回)
・IT導入補助金 採択結果: IT導入補助金事務局(公益財団法人日本ITU協会)公開データ
・ものづくり補助金 採択結果: 全国中小企業団体中央会 公開データ(各次公募)
・事業再構築補助金 採択結果: 中小企業庁 事業再構築補助金事務局 公開データ(2023〜2025年)
・採択率は「採択件数÷申請件数×100」で算出。各公募回の平均値を年間平均として掲載。
・2025年の数値は公表されている最新公募回のデータをもとに算出した暫定値。

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